
学力は足りているのですが
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発達障害について多くの事を書いてきましたが、最も課題とされる点は「コミュニケーション」と言えます。つまり、形は様々に表れても「誤解を招く」が故に(周囲に)理解を得られなかったり、トラブルを起こすわけです。
「自閉症スペクトラム(ASD)」「注意欠陥多動性障害(ADHD)」「学習障害(LD)」とそれぞれのグループに特徴がありますが、テーマは共通していると言えます。そして、周囲とのコミュニケーションを円滑に図り「能力を引き出す」事を最大目標としているのです。
「大人の発達障害」の例を見るまでもなく、知的水準は一定(若しくはそれ以上)のレベルのあるケースが多いと言えます。
しかしながら、その「コミュニケーションの円滑」が難解な為に「トラブル」が絶えないのが現状です。更に自分自身が「周囲と上手く溶け込めず」鬱病を併発する事もあるのです。
発達障害に関する取り組みが本格化したのも、この10年余りです。それ故に「自分の立ち位置」が理解出来ない児童や親御さんも少なくありません。
それでも「知らなかった」では、本人が一番辛い思いをして人生を過ごしていく事になるのです。
また、我が子の「知的水準」から抵抗感を持たれる親御さんも実際にはいらっしゃいます。
「うちの子に障害は無い!」
凄く分かります。まして知的に問題が見当たらないのですから、尚更強い抵抗感を示したくなりますよね。しかし、知的や学力とは違う分野で何かしら脳の伝達が困難になっている事を理解してあげてください。
「うちの子供に問題は無い!」
厳しい言い方になりますが、これらは「親のエゴ」と思いますし、結果我が子を苦しめる事に繋がっていくのです。
中学生になって親が考える事
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一般的に障害を抱えた児童は「支援学校」に進むか、若しくは普通学校内にある「支援学級」に在籍します。
もちろん「障害の重い」児童は前者であり「軽い児童」は後者に属し、普通学級と兼ねて在籍する形を取ります。
そして「発達障害」の場合は申請をすると「療育手帳」を発行してもらう事が出来ます。あくまで支援学校へ進む事に関しては、発達検査等により判断されます。
さらに「一般生徒」と同じ様に「普通学級」のみ在籍で、そのまま通す事も可能です。もっとも著しい問題を起こして「支援学級」に移るケースも少なくありません。
確かに「発達障害」も、程度が軽い状態だと親も周囲も見過ごす場合があります。
それだけに「判断基準」が難しいわけです。
ちなみに「公立中学」には「支援学級」がありますから、事前に見学も出来る上にサポート内容は小学校の支援学級と変わりません。
「支援学校」に進んだ児童は、一般でいう「高校卒業までの期間」に専門の訓練を受ける事が出来ます。そして、社会生活に少しでも溶け込める様にしていくのです。そして「高等部」に進んだ時点で就活をします。
しかし、支援学級在籍の子供を抱える親御さんは悩むわけですよ。
「知的は、一般生徒と変わりないので高校へ進学させてあげたい」
この気持ちも分かりますよね。
「支援学校」に通う対象の生徒は、知的に障害を抱えています。決して差別を助長するわけでないのですが、知的に問題が無い子供を「知的障害にある枠」に入れる事は余りにも可哀相です。
しかし、一般の高校へ進学して問題を起こし直ぐに「中退」という憂き目にならないとも限りません。
高校には「通信制」という選択肢もありますが、出来る事なら社会性を身に付ける為に「全日制」を希望したい。
そう願ってる親御さんが多いと思います。
いきなり結論から書かせてもらいますが…
「厳しい」のが現状です。
高校進学できるの?
支援学級が併設の高校はあるのですか?
高校では残念ながら存在しません。
全日制の高校は一般的に「受験は可能」です。しかし、コミュニケーション面で挫折する可能性も率直に言ってありますよね。そうなると「通信制」になるか、支援学校の高等部という選択になります。
「知的障害生徒自立支援コース」が併設してある高校がありました。一般の普通科高校なんですが、これは画期的な試みではないかと思うのです。所謂「支援学級」に最も近い存在を併設してありますね。
あくまで「知的障害」となってますが、知的障害のない子供の場合の入学の受け入れやサポート体制が整っているなら通わせる価値はあると思いますね。子供を宙ぶらりんにさせては余りにも可哀相ですから。
保護者と教師と医師の連携を取りながら、一般の高校を卒業している例も多々あります。
大切なのは「スキル(能力)」に「ソーシャル(社会性)」を加味した進路指導を受ける事が重要になります。もちろん、専任の教師も、それらを見極め指導するだけの「スキル」を求められるのですが…
また「母子医療センター」等の専門医療機関は、中学生までしか受けられませんので「高校以上」からの「専門医療機関」を早めに決めておかれる事を推奨します。やはり、専属の医師が居るといないとでは「突発的なトラブル」が発生した場合の対処法や治療を受ける事が出来ますよ。
発達障害者支援法が施行されて、その周辺の環境面も整備されてきました。また「大人の発達障害」と呼ばれる、小さい頃「見過ごされて」成人になった方の数もこれからは減少していくと思います。
それでも、まだまだ世間的には認知度も低いですし、欧米に比べてサポート体制は十分とは言い切れません。
とくに「義務教育終了」時点の年齢からが厳しい状況に突入しますし、増加傾向にある「発達障害」の人々を如何に社会で受け入れやすく出来るか?
まだまだ「スタートライン」にたったばかりとも言えますね。
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