
少し異常な「このブーム」
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空前の「食パンブーム」であるのをご存知ですか?街を歩けば「食パン専門店」もチラホラ見かけますし、百貨店のデパ地下でも有名店の食パンを販売しています。もちろん「パン屋さん」は以前からありますし、基本的には「菓子パン」が目玉商品という感じで各店も個性を磨いて販売してました。
どちらかと言えば「食パン」は店内でも隅に置かれた地味な存在だったのです。
まるでケーキの様に一種の「スイーツ」として君臨する菓子パンに比べ、単なる「朝の定番食」に過ぎない見方しかされないので「じゃあ、ついでに食パンも」という感じで買っていく傾向が強かったわけです。
それだけではなく、トーストで食べるが故に「焼く手間」や(マーガリンやジャム等を)「塗る手間」もあります。さらに「パンの耳が硬くて嫌」というイメージも(食パンを)遠避けるネガティヴな要素になってました。
食パンは菓子パンと違い「完成形」ではなく、自分でカスタマイズする必要がある「未完成形」のパンです。
また朝食の定番と言っても、日本は言わずと知れた「白米文化」が浸透しています。同じ朝食でもチョイスするのは「ごはん」に限られる為、食パンはここでも「負けを受け入れる」しかなかったのです。また米と違い「腹持ちの弱さ」も敬遠される要因でした。
その食パンが俄かに「パンの主役」を奪う様になってきました。
まず「食パン専門店」の進出ですね。
パン屋さんにおいては、いろんな種類のパンが(店内を)彩ってこその楽しみがあるのです。その中からトレイに好きなパンを選ぶのが「定番スタイル」と言えますよね。
その中で「食パンオンリー」の店が増えてるのです。
一般的に「単品オンリー」の店は極めて異例と思うのですが、パンに限っての(食パン)単品専門店は珍しくない状況です。しかも「予約制」や「行列」が当たり前という盛況ぶり。
競合店が増えると、当然いろんな格差をつける為に「食パンのグレード」も上がってきます。
消費者の「口コミ」も大事ですし、普通の「食パン」を提供してるだけでは(競合店に)敗れます。そこで店側もいろんな試行錯誤を得て「究極の食パン」を作り上げていくわけです。
そして消費者側も折からのグルメ志向が重なり「究極を求める」傾向が、店側との(考えの)リンクと重なった結果「単なる食パン」も変貌を遂げました。結果「高級食パン」という通常では考えられない価格の食パンが生まれ、それを求める消費者が長い行列を作るのです。
決して「たかが食パン」と言う気はありませんが、そこまでしてグレードの高い食パンを「作る必要も求める必要もあるのか?」という疑念は拭い去れません。なぜ故にパンをそこまでエスカレートしないといけないのか、異常性を感じずにはいられないのです。
間違った方向に行ってませんか
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基本的に食パンは「朝食時の主食」として存在します。そして食べ方もトーストでバター若しくはマーガリンを塗るだけです。飲み物はコーヒー、紅茶、ミルク等と合わせて頂くだけというシンプルさですから手軽さが受けるわけですね。面倒さも少なく、時短で取れる点も(ご飯に比べて)長所なので食パン需要は年々増えてきました。
需要増がブームを呼び「食パン専門店」も次々誕生し、高級食パン目当てに行列が出来る現象も珍しくなくなりました。
もちろん「高級食パン」を否定するつもりはありません。より究極を追求した「食パン」を提供する事自体が決して悪くないのですが、高級志向になると「スッポリ抜ける要素」があります。
ズバリ「糖質増加」による「健康志向」です。
食パンはGI値(摂取して体内で糖に変わる早さの基準)が極めて高いのです。
つまり「直ぐ糖へ変わる」わけですから体内に送るインシュリンの分泌も激しくなりますし、脂肪の蓄積リスクも高まるのです。これが朝食なら短時間でエネルギーとして伝わりますから「身体を稼働させる」には当てはまるので有効と言えますよね。
しかし「食パンブーム」は、決して(食パンを)正しい方向へ導いているとは思えません。
食パンの「ネガティヴな意見(食パンの耳が固い、何か塗らないと美味しくない等)」をクリアする事を目的とし、辿り着いた食パンはどうなるかと言えば…
「やわらくて甘~い」食パンです。
確かに「良質の小麦粉やバター」で生地を作っているのですが、ここに「蜂蜜や砂糖」を混ぜて練り上げていくわけです。
味覚の中でも、グルメ志向の際たる要素に「とろける」「フワフワ」があります。
「食べる」という動作の中において「噛む(咀嚼)」は極めて重要です。口腔内の浄化や大脳の刺激だけに留まらず、内臓の働きを助け体内機能の衰えも防ぐわけです。
つまり「食事はしっかりと噛む」事が基本中の基本であり、非咀嚼食物を率先して食べる傾向は頗る「危険」と言わざるを得ません。
更に「GI値の高くて糖分の多い」蜂蜜や砂糖を加えているのです。そして「普通の食パン」と同様にマーガリンやジャム、蜂蜜等を塗った食べ方をすれば(GI値や糖分の)二乗三乗という悪循環に陥るわけです。
百歩譲って「たまに食べる」ぐらいなら問題は無いと思いますが、やがては朝食の枠を超えた存在として「オヤツ感覚」で食べる様になるでしょう。元来が「スイーツと同様」ですからね。
食パンがブームになるのは決して悪いと思いませんが、その「狂騒曲」とも言える状況は純粋な食パンをひたすら謝った方向へ導き(食パンの)原点を完全に忘れた危険性しか浮かびません。食パンは決して高級度を高めなくても十分に美味しく頂けますし、また自然な形で「朝食のパートナー」であるべきなんです。それが本来の姿ではないでしょうか?
朝食を正しく食べてますか?
個人的に「行列の出来る食パン店」の食パンは食べた事がありません。基本として「街のパン屋さん」で買ったパンか、市販の(パンメーカーの)食パンで十分美味しく頂いております。わざわざ高級店で並ばなくても、そこそこの食パンは食べる事が出来ると思います。もちろん味覚が「とろける症候群」によって操作されていない条件が付きますが…
お勧めの(食パンの)食べ方は?
まず「フワフワ」でも食感のしっかりした歯応えのしっかりしたものを選んでください。
基本は「弾力性のある少し固め」の食パンですね。
好みは個人差があるので統一は出来ません。しかし「サックリ」でも「モッチリ」でも噛み応えのある点は譲れないので「弾力性重視が食パン選びの基本」と言えるでしょう。
市販の(パンメーカーの)パンも全然問題ないと思います。確かに(乳化剤等の)添加物を使用してる商品が多いので、安全面で心配な方は「街のパン屋サン」で購入することをお勧めします。
トーストする際は(トースターの)奥側にパンの底辺部(平な部分)を置いて下さい。パンに含まれる水分とトースター内の温度の関係が理由なのですが、より美味しく頂く為の工夫ですね。
予めトースター内を温めておくとベストですが、朝の慌しい時間帯ならば省略しても大丈夫です。時間も何分とキッチリ決めるのではなく、5分程度のタイマーを回して中の(パンの)様子を見る事を重視して焼きましょう。
表面が少し薄めのきつね色になれば裏返し、両面の焦げ具合を確認しながら好みの状態になった時点で皿に移しましょう。モッチリ系は薄いきつね色、サックリ系は全体が満遍無くきつね色を目安にしますから「あくまで目で確認しながらトーストする」のがポイントです。
パンに塗るのは「マーガリンよりバター」がお勧めですが、トランス脂肪酸の少ないマーガリンなら問題ないと思います。ジャムは果実の甘味のみで製法されている商品が好ましいですね。また野菜やハム、チーズを乗せる食べ方はビタミンやタンパク質を摂る事に繋がります。先述した通り「GI値の高い食パン」ですからサイドは糖質の低い物で栄養を摂る様に工夫しましょう。
※食パンの食べ方ベストメニュー
①トースト「レタス、スライスチーズ、ハム乗せ」
②ヨーグルト「加糖の少ないタイプがベター」
③コーヒー、紅茶、ミルク、ジュース(100%果汁)
行列に並んでまで「菓子パン擬きの高級食パン」を求めるより、普通の食パンを上手にカスタマイズして食べる方を絶対にお勧めします。食パンをあくまで「米と同様の主食扱い」として食べるなら、必要以上に「GI値を高めない」工夫を念頭に置く事が大切だと思います。決して喧騒に踊らされないスタイルで朝食を充実させていきましょう。
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