
「ノアの箱舟」に乗るべからず
スポンサーリンク
業績が伸びず悪戦苦闘する企業は少なくありません。
このままでは「本業」を畳んで、他業種に変えた方がいいのでは?という空気が充満し、職場の雰囲気は悪くなるばかり…
新卒どころか、中途採用でも正社員は採用せずに欠員は「派遣」で補う。
毎回毎回「売上の数字」をいじくって「定例会議」で報告する。
決して少なくないんです。
従業員は「微妙な空気」を感じ取りますし、自然と色々な噂話も入ってきますから落ち着かないわけです。仕事にもどこか集中出来ませんし、本当に「転職」が頭の中を過っても不思議ではありません。
「このままでは、ダメじゃないか?」
将来的な不安は「50代の社員」とて同じですし、寧ろ数年後に定年を控えてますから不安は大きいと言えますね。
そんな時…
営業が「新規事業を見つけてきた」という話が入って来る事があります。つまり、新たな業務に参加して「その場を凌ぐ」わけですね。
本業が「死に体」ですから、会社を存続させる為には必要な事だと思います。
言葉は悪いですが、その新規事業は「ノアの箱舟」と言えるでしょうね。
「本業がダメになるなら、移ってしまおうか?」
「ノアの箱舟」に移る心境で、新規事業への出向願いをする方もいらっしゃるでしょうが、早まらないで欲しいんです。
営業は現場を知りません
スポンサーリンク
本業の方が苦しくなり、営業サイドもそれに変わる「仕事」を取ってこないといけません。
確かに「業績を悪化させない」為に、何でもいいから「仕事を取らないと」というムードに駆られて遮二無二走り回るわけですよね。
上からは、ハッパを掛けられてますし…
そんな「営業サイド」には「数字を上げる」事のみが使命感になっているとも言えます。
「数字(売上)」に囚われ、ひたすらに仕事を取ろうと躍起になり過ぎる営業は、次第に「現場」が見えなくなってくるわけです。それが本業と懸け離れてる内容であっても然り…
「数字ありき」なんですよ。
そして、他社が「匙を投げる様な仕事」でも平気で取ってくるのです。それが、利益の出ない「トンデモ業務」であっても関係無し。
「仕事を取った」
「数字(売上)を出した」
この2点のミッションをクリアする事が営業の仕事なんです。
詳しい現場の業務内容は「二の次」になり、全て数字の「机上の空論」で交渉をまとめてきますから、何にも知らないままに概要だけを紹介し、出向者を募るわけですね。
気の毒なのは、何も知らない出向者ですよ。
新たな行き先(出向先)が、実は「ブラック企業」って事も有り得るのですから。
迂闊に「他社や他業種」の出向には乗らな事ですし、まず「業務内容」をじっくり聞いて疑問点は具(つぶさ)に質問する様にしましょう。
出向するには裏を見よ
出向を上司から命じられたら?
・まず、即答しない事が大切です。
営業サイドが「躍起になって」仕事を見つけてくるのは「数字を上げよ」という経営者側の厳命なんですね。これは間違いありません。
しかし、この不況時にどこの企業も「利益率の高い美味しい業務」をわざわざ他社に譲ると思いますか?
もちろん業務内容的にも安心して行えるという点も同じです。条件の揃ってる業務に「人が離れる」わけがありません。
余程「金額を吊り上げて(仕事を)奪い取った」ケースなら別ですが、大手で業績を伸ばしている企業でない限りは有り得ない事です。
それ故に、前述した「匙を投げた業務」しか残ってないんです。しかも下請け専門な零細企業が担ってる「割の合わない(過重労働ばかりで利益の出ない)」仕事ですよ。
わざわざ飛び込みますか?
おそらく「やるだけ無駄な仕事」なんですよ。業務内容もブラックに近いハードさで、出向したが最後…
誰も守ってくれませんよ。
それが原因で「会社を退職」に追い込まれても不思議ではありませんし、寧ろ「人件費を減らした」と喜んでるかも知れません。
結果的に「利益を出した」と。
簡単に社員を辞めさせられないので、出向させて「自己退職」に追い込む考えが目的かも知れないのです。
「出向先を墓場」に見立てて甘言で誘って詰め込んでいる様なものですからね。
もちろん、全てが「墓場」とは限りません。しかし「出向話」には必ず裏があると捉えて、話が来ても熟考すべきだと思います。
決して「ノアの箱舟」ではなく「退職へ向けた墓場」への片道切符なのですから。
(合わせてお読みください)
スポンサーリンク