
ワールドカップより厳しい?
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6月15日からブラジルで、サッカーの南米王座を決める「コパアメリカ」が開催されます。日本での知名度は「ワールドカップ」や「ユーロ(欧州選手権)」に比べると劣りますが、ブラジルやアルゼンチンと言ったサッカー強豪国が激突するハイレベルな国際大会です。何よりも南米の覇権を賭けた強烈なプライドがぶつかるわけですから「激しさと熱さ」は(ワールドカップを)凌ぐかもしれません。
参加国は12ヵ国で決して多くないのですが、レベルの高い国が揃った中身の濃い大会と断言できるでしょう。
ワールドカップでは2002年(日韓大会)にブラジルが優勝して以来、南米勢の優勝はありません。(2006年イタリア・2010年スペイン・2014年ドイツ・2018年フランスと欧州勢が優勝)
長らく世界一の称号を手にしてない南米(のサッカー)はレベルが下がったの?
「チャンピオンズリーグを見ても分かる様に、今や世界のサッカーを席巻しているのはヨーロッパである。もはや南米の時代は終わった」と結論付けている方もいらっしゃると思いますが…
その考えは「間違っている」と断言させて頂きます。
世界のサッカーをリードするヨーロッパのクラブチームがありますが、今でも多くの南米出身選手が主力として活躍しています。リオネル・メッシ(バルセロナ)を筆頭に南米出身者抜きには成り立たないわけです。それどころか勢力分布が大幅に変わってくるでしょう。
確かに南米勢のワールドカップ優勝は久しくありませんが、決して(南米勢のレベルが)廃れたわけはないのです。寧ろ相変わらず「宝の宝庫」と言えますし、才能溢れる若い世代が次々と育ってくる環境にあります。
脈々と受け継がれる「サッカーDNA」が彼等の強みです。そして経済的に恵まれてなくても「サッカーをする為の環境」が周りに揃っています。
参加国が少なくても内容的には決して薄くない大会ですし、前述した様に「南米チャンピオン」という称号は途轍もなく大きいと言えます。そして、その座を賭けた熱い戦いは半端無く過酷であり厳しいのです。
この熱い戦いの中に「招待国枠」という南米以外の国が入っているのをご存知でしょうか?
出場12ヵ国の中で「前回優勝のチリ」「開催国のブラジル」以外に別枠として「カタール」と「日本」が招待国として出場します。奇しくも「アジアカップ」の決勝を戦った両国が選ばれたわけですが、南米の強豪がひしめく中で「アジア勢の現在地」を図るには絶好の機会と言えるでしょう。
激戦を制する南米王座は?
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過去における優勝国は、多い順に「ウルグアイ」「アルゼンチン」「ブラジル」となっています。45回の大会でこの3ヵ国が37回(の優勝回数)ですから、実に82%に該当することになります。しかし前回、前々回の優勝国は「チリ」ですから侮れません。そして優勝回数は1回(2001年)ですが、近年安定した成績を残してる「コロンビア」も有力と言えますね。
実質、上記5ヵ国の中から優勝が決まると断言出来ます。
確かに「勝つ国」を絞りやすいわけですが、決して抜きん出てる国も見当たらず「優勝国」を当てるのは容易な事ではありません。
単に数字の確率上では12分の1です。そして有力国に絞れば5分の1になりますから優勝への確率は上がるのですが、レベルの高い激戦を制するのは容易な事ではないのです。
2019年のコパアメリカを制する国は?
やはり優勝は上記に紹介した5ヵ国の中から出ると思います。残念ながら招待国の日本に優勝の目はありません。それはアジアカップを制したカタールにも言える事です。それだけ上位5ヵ国の実力は抜きん出てます。
5ヵ国で最もアドバンテージがあるのは開催国である「ブラジル」でしょう。地元ですからサポーターの大声援を浮けるだけでなく予選においても比較的強豪国の少ないグループにシードされました。
地元ですから気候慣れしてる部分もあります。そして予選グループも上記の強豪国とバッティングしない様に配慮されてませんからね。つまり決勝トーナメント進出まで疲弊を最小限に抑える事が出来るのです。
また戦力的にも有力な若手が育ってます。ヨーロッパ主力チームの中枢を担ってるのがブラジル勢ですし、決してチーム状態は悪くありません。攻撃にしろネイマールに頼らなくても乗り切れる層の厚さを誇ります。様々なオプションを持ち、バリエーションも豊富でチームが一つにまとまれば「盤石の強さ」を発揮するでしょう。
サプライズで未招集の若手選手が追加されると、更に厚みのある「とんでもない強さ」を発揮すると睨んでます。
ブラジルに続くのは「アルゼンチン」が有力です。もちろん絶対エースであるメッシの存在がありますが、代表引退を示唆してるので今回の出場は微妙です。しかし「メッシ抜き」でもアタッカーは揃ってますし、次世代のエースであるディバラが活躍すれば面白い存在になりますよ。
「メッシに頼らない」新たなアルゼンチンにモデルチェンジ出来るかがカギとなります。寧ろ今回のアルゼンチンは「メッシからの自立」を図らないと前進は見込めないでしょう。
ブラジル、アルゼンチンに対抗する形で今大会「三連覇」が掛かってるチリが3番手に挙げられます。このチームはサンチェス、ビダルの「欧州組」が中心となりますが、彼等の出来次第で(チーム力が)変わってきますので評価を落としました。もちろんハイレベルなチーム力を誇りますが、以前と比べて頭打ちの印象を感じられます。
ウルグアイ、コロンビアは「ダークホース」的な存在として留めておきます。どちらも強力なエースを擁してますからツボに嵌り波に乗れば(決勝まで)進む可能性がありますね。両チームともタレントの爆発力次第になりますが、面白い存在である事は間違いありません。
普通に考えればブラジルが最右翼と言えます。戦いの構図としては「対ブラジル」に有力国が標準を絞り(対戦へ向けて)調子をピークに持ってくるかでしょうね。それだけブラジルがマークされると思うのですが、意外とプレッシャーに弱いので精神的な脆さが(ブラジルにとって)最大の敵に成りかねないのです。ライバル国もブラジルの心の隙を突いてきますから、少数でもカオスの状況を呈した熱い戦いになりそうです。
日本は旋風を起こせるのか?
優勝争いが上記の5ヵ国とすれば「招待国」として出場する日本の位置付けはどうなのか?これが(私達の)一番の関心事かも知れません。アジアカップに続く公式戦になりますし、ランクも50位から大幅にジャンプアップしました。今回を単なる参加で終わらせない為にも、やはりリスクを承知で勝ちに行く姿勢が求められます。
日本の実力は「アジアカップ」の結果を一つの目安として図る事が出来ます。
アジアカップではFIFAランキングでアジア最上位のイランに快勝しましたが、決勝では90位(当時)のカタールに完敗を喫しました。これは言い訳の出来ない敗戦であり、ランキング度外視をしても日本は厳しい現実を突き付けられたのです。
2022年のワールドカップ開催国であるカタールは本気でチーム力を強化してきました。自国にルーツを持たない選手も代表チームに加え、クラブチームも活性化させ(底上げには)一定の成果を出し始めています。その強化国に手も足も出ない敗戦を喫した現実から目を背ける事は出来ません。
日本はコパアメリカでグルーブCに振り分けられました。このグループは他にウルグアイ、チリ、エクアドルが入ってますが(日本より)ランクが低いのはエクアドル(57位)だけです。
ウルグアイやチリのランキングはそれぞれ7位と13位ですが、決してランクで優劣を決めるわけではありません。それでも厳しい中に日本代表は「身を投じる」わけです。エクアドルも安全パイではありませんし、淡い期待を抱くよりも覚悟を持たないと(マトモに)観れないと思います。
そして日本はいきなりチリと対戦する事になります。
3連覇を狙う強豪です。
お先真っ暗か?
もちろん、マトモに考えても「勝てる相手」ではありません。
しかし「不可能か?」と言えば、決してそうでもないのです。
勝負の綾を解くキーワードは「調子のピーク」ですね。つまり3連覇を狙うチリは予選グループでは「対ウルグアイ戦」を一つのカギにしてる事は明白ですし、予選突破後も対戦が予想される「対アルゼンチン戦」「対ブラジル戦」を想定しないといけないのです。
つまり言葉は悪いですが「対日本代表戦」は眼中に無いと言えますね。極力消耗を少なく「ミニマムの調子」で勝利を狙う考えではないでしょうか?
日本代表もカタールには完敗しましたが、明らかに、若手が成長して新たな芽が育っています。カタール戦からの上積みが見込めるならチリ戦で「最高のパフォーマンス」を発揮出来る事も可能です。
極端な話、日本代表は「初戦に全てを賭ける」しかないのです。これを逃すとボロボロに終わる可能性もあるわけで、2戦目に当たるウルグアイは親善試合の様に勝たせてくれません。
「チリやウルグアイの様な強豪に負けるのは仕方ないとしても、せめてエクアドルには勝ちたい」という考えで望む様であれば、まずは間違いなく「3戦全敗」という惨めな結果が待ち受けているでしょう。
2022年のワールドカップで「悲願のベスト8」入りを目指す為においても、このコパアメリカで成長した姿を見せる必要があります。日本代表は間違いなくレベルアップしてますし、その陰にはワールドカップでの「ベルギー戦敗退」が糧になってるのです。今回も「経験値アップ」に繋がる成長した姿を見せて欲しいと願います。
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