
「劇薬」は必ずしも効きません
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「2018サッカーワールドカップ・ロシア大会」も迫って来ましたが、日本代表に深刻な事態が訪れています。それは未だに「ベストメンバーが固定出来ない」状況であり、代表監督と選手間に大きな溝が生じてしまい、そしてこの機に及んで戦術が浸透せず全く機能していない現状を(公に)晒してしまいました。このツケがとうとう「監督更迭」という事態を招き混乱に拍車をかけています。
本番前にここまで深刻な事態に陥ったのは、過去において初めてであり見通しも全く見えてきません。
「ハリル前監督」の選手選考や闘い方の戦術面においても(選手間で)不満が募るばかりです。そして、日本代表にしては珍しく(批判を)口に出す選手まで現れました。しかし、これは至極当然とも言えることだと思います。今や日本代表はそこまで追い込まれてしまっているのです。(ハリル解任の)伏線は多過ぎる程存在しました。
サポーターもここまで酷い日本代表は想像してなかった事でしょう。しかし、全てにおいてバラバラに「解体」されたのですから、これらを拾い集める作業も容易な事ではありません。一体、何故日本代表チームは「停滞する」程に弱体化していったのでしょうか?
全ては「監督」にあると断言させてもらいます。つまり「ハリルホジッチ前監督」が就任して以来、この日本代表チームは徐々に崩壊へと突き進んでいったのです。
全てを監督責任に背負い込ます必要はありませんが、ここまでの「ハリルジャパン」は明らかに監督によって狂わされてしまいました。日本人の特性をスッポリと消されてしまい、選手個々の能力だけでは対応しきれない戦術を延々と推し進められている姿は「崩壊」の二文字しか浮かびません。
ハリルホジッチ前監督は、ある意味「劇薬」としての効果を期待されての就任だったと思うのですが、強引に進める「改革」も空転するだけで、寧ろ「崩壊」へと(方向性が)変わりつつありました。一体何が効果をもたらしたのか?その答えすら見当たりません。
「劇薬効果」を期待して(日本代表も)ダイナミックに変わると踏んだのですが、劇薬はあくまで劇薬であり効果以上に強烈な「副作用」に苦しめられるケースがあるのです。
残念ながら「ハリルホジッチ前監督」は後者であったと言わざるを得ない存在でした。
あなたは「日本代表」を知ってますか
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93年「ドーハの悲劇」以降からの日本代表監督は「オフト」から「ハリル」まで計10人(岡田武史監督は2回就任しているので計12代11人)に上ります。このうち日本人監督は3人(加茂周、岡田武史、西野朗)のみで、後は全て外国人なのです。もちろん理由は様々であると思いますが、どこかオフト監督以降「外国人監督信仰」にドップリハマってると言えないでしょうか?
これは、言い換えるとサッカーにおける「外国人コンプレックス」が今でも払拭されてない事に繋がります。
ワールドカップに「6大会連続出場」を果たしても、どこか日本人を信じきれない弱さが日本人自身にあるような気がするのです。従って、高額なギャラを払ってでも(外国人に)オファーを出すパターンを繰り返していると言わざを得ません。しかも、その状況を抜け出せないし抜け出す勇気もないわけですね。
もちろん「外国人監督が悪い」と言ってるのではありません。大切なのは「正しく日本代表をカスタマイズし切れる能力」を持った人材を選ぶ事なんです。その為には「日本代表を理解する」あらゆる努力をしているか?全てを知った上で、劇的な変革を導入するのなら(その趣旨を)理解する事が出来ます。
しかし、解任された「ハリルホジッチ前監督」の進め方を見る限り疑問を感じざるを得ません。確かに(2014年のワールドカップで)アルジェリアを決勝トーナメント進出へ導いた手腕は特筆すべきものです。しかしながら、あくまで「アルジェリア」がハマっただけであり「日本代表」が必ずしも当てはまるとは限らないんです。
例えば「ラグビーのエディージョーンズ前日本代表監督」の様に、日本人の特性を理解した上で悪い部分を変えていく強化法を取るのなら話は別です。しかし、いきなり「デュエル!(闘え)」と号令を掛けられても簡単に変われません。むしろ「迷いが生じる」だけなんです。そして、本来のスタイルから掛け離れ「理解している選手と、していない選手」に分かれる悪循環が生まれます。また若手が頼らないといけないベテラン組もその迷いから抜け出せない。
今更「後戻りできない」上に、進めば進む程「混乱が生じる」という袋小路に入り込んで抜け出せなくなってるのです。日本代表を理解せず、自分の「成功経験」だけで落とし込もうとした結果「パニックが広がり」取り返しがつかない状況になっていたと言わざるを得なかったのです。
本気で強くしたいなら
過去5回のワールドカップ出場で、日本が決勝トーナメントへ進出したのは2回のみです。しかも最近の2010年は日本人監督(岡田武史)の采配でした。必ずしも外国人監督で目立った実績を残したとは限りません。つまり、わざわざ「外国人監督を招聘する」必要性なんて全くないのです。
例えば「Jリーグで結果を出してる」人材を「代表監督に招聘」しても全く問題がないのです。そこに日本人も外国人も関係ありません。また現在は多くの日本人指導者もスキルを高める為、様々な努力や勉強を積み重ねています。一昔前なら「外国人でないと」という考えで致し方無かったのですが、今や日本人指導者もレベルアップを図り(有能な指導者が)増えているのです。
わざわざ高額なギャラを用意してまで(外国人に)監督招聘する必要なんて無いのです。
少なくとも、現在の混乱を見る限り「全く必要性を感じない」のが正直な(サッカーフリークの)意見だと思います。
ハリルホジッチ前監督で、唯一正論と感じた事は「クラブチームで出場機会の無い選手は呼ばない」という発言ですね。圧倒的に海外移籍した選手に対してですが、移籍する上においてもまず「ワールドカップ後」という感覚で臨む方が賢明だと言えますね。移るなら「ワールドカップで活躍して自分の価値を高める」事でしょう。それからでも遅くはありません。
「ワールドカップをアピールの場」として捉える事がモチベーションアップに繋がりますしね。何と言っても干されると選手としての鮮度も落ちますよ。そこは(選手個々の自覚として)十分に考えて欲しいところです。
結局のところ「ハリルホジッチ前監督」はワールドカップ目前に代表監督を解かれ、日本を去っていく事になりました。それならば「高いギャラを払って外国人」を呼ぶ必要性はありませんし、日本人監督で十分賄えます。そして、各クラブ協力の下「若手の育成」に神経を注いだ方が遥かに「強化に繋がる」と思います。
何でも「外国人」ではなく「自分達で育む姿勢」をより強化する事。その上で足りない部分は、海外の協力を仰ぎ進んでいくスタンスでいくべきです。
また、これだけ「外国人監督崇拝」の協会が何故「ドイツ人」を招聘しないのか不思議でなりません。
ワールドカップで最も安定した成績を誇り、ロシア大会でも優勝候補の最右翼とされているのがドイツです。そして、海外で最も日本人が活躍しているのが「ブンデスリーガ(ドイツ)」という事実があるにも関わらず(ドイツを)スルーする感覚が理解出来ません。
日本人と同じ「勤勉性」に優れている事でも知られています。
本気で強化するなら、ドイツを範とすべきではないでしょうか?そして「緊急登板」となった西野朗監督がどのような手腕を発揮するか注目したいところです。
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